愛する子供たち #29 ミノルタ ハイマチック F

ミノルタハイマチック F★
本機は71年に発売された「ハイマチックE」の下位機種にあたる、35mmRFコンパクトカメラです。
ミノルタハイマチックEをひとまわり小型にした機種でEとの違いはレンズ。38mm f2.7と小ぶりなレンズを搭載。Eとデザインや機能は殆ど変らず軽量化、コンパクト化が図られた.外観上の違いはセルフタイマーがEではボディーなのに対してFではレンズ鏡胴に移った。あと、背面にバッテリーチェック用SWが新設された。フィルム感度設定もEではレンズ鏡胴にリングのセレクターであったのに対しFではレンズ前面に移行した。ファインダーはE同様にクリアで見易いがパララックス補正は省略されてしまった。ピントは二重合致式で合せやすい。

米の宇宙船フレンドシップ7号に搭載され、初めて宇宙から地球を撮影したカメラとして有名な初代「ハイマチック」の発売から10年、この時期は普及機の小型化が進んでいました。しかし当時のハイマチックは初代の構造を受け継いでおりまだ筐体が大きく、また重いカメラでした。そこでミノルタが開発したのがE/Fの系列で、輸出タイプなども含めかなりの数が売れたそうです。

機構的には、ハイマチックE/Fともセイコー製のアポダイズシャッターによるプログラムEE専用機。アポダイズシャッターは三角波シャッターとも呼ばれ、受光素子を通った電流を積分しながらシャッターがゆっくり開き、適正露出になった瞬間高速で閉じる方式のシャッターです。明るければ早く閉じるので高速シャッター+小絞りになり、暗ければゆっくり開ききって低速シャッター+開放・・となるわけです。この方式は、通常のレンズシャッターに比べてレンズ中心ほど開いているこの系列のシャッターは当時の35mmEEコンパクト機によく搭載されていますが、けっこう洗練された機構で目的にも合致しており、よく出来たシャッターだと思います。

1970年前後コニカC35に代表されるようにレンズの開放F値を抑えボディを小さくした機種が各メーカーから発売されました。このタイプのレンズは描写性能とボケ質が良くなる特徴があります。
ミノルタの良さが凝縮された感すらあるf2.7/38mmレンズの写りは、シャープでありながら色味も充分です。


■発売: 1972年6月
■型式: 35mmレンズシャッター式カメラ   
■シャター: 2枚羽電子制御レンズシャッター(セイコーESL) 4〜1/700sec
■露出: Cds使用プログラム方式EE F2.7 ,4秒〜F13、1/700秒 
■レンズ: ロッコール F2.7 38mm 構成:3群4枚 テッサータイプ
■セルフタイマー: EEセルフ 約10秒 
■露出制御受光方式: CdS素子による外部測光(Ev0.9-17・ISO100時)
■フィルム感度域: ASA25〜ASA500(DIN15〜28)
■ファインダー形式: 逆ガリレオ式、採光式透視型ブライトフレーム付レンジフ ァインダー 二重像合致距離計内蔵
■倍率: 0.5 
■距離計: 一眼二重像合致式、三層干渉膜、ハーフミラー使用、ミラー回転式 ■繰出形式: シングル回転ヘリコイド、前玉繰出し
■最短撮影距離: 0.8m(2.6ft)
■フィルター寸法: 49mm(ねじ込式)
■フィルム送り巻上げ形式: 一操作レバー式(分割巻上不可能) たたみ折り式ク ランク巻戻
■カウンター形式: 自動復元順算式
■電源・ 電池NR52 2個 
■サイズ: 巾113×高73×奥54mm 
■重量: 360g
■発売時価格21,300円  
1996年ごろ大阪住之江区のフリマでほこりにまみれてころがされていたものを、値切って購入。たしか1000円だった。
電池切れのため、プログラムEEの精度が不明。シャッター音はするが、シャッター幕は開かない。