愛する子供たち #42 リコーオートハーフ

★リコーオートハーフ★
オリンパスペンと双璧をなす歴史的カメラです。
カメラの小型軽量化と低価格化を一気に実現して大ヒット商品となったオリンパスペン,巻き上げまで自動化した独特のデザインを誇るリコーオートハーフ,この2つのシリーズは,ハーフサイズカメラの代表といえます。単にハーフサイズカメラというとき,この2つのシリーズを指していることが多い。  長い期間にわたってヒット商品となったため,これらの製品には数多くのバリエーションがある。また,中古カメラ市場で流通する量も多いので,安価に入手できるモデルが多いこともありがたい。小型軽量を意識したカメラであるが,大半のモデルが金属製のずっしりとしたボディであることも,セミクラシックカメラとしての大きな魅力になっている
「シャッターだけは押してください。」のうたい文句で発売された。固定焦点、自動露出、自動巻上げの簡単オートカメラです。
かつて,カメラは誰にでも使えるような機械ではなかった。カメラもフィルムも高価で,操作にはそれなりの専門的な知識と経験が必要だったからである。カメラを誰にでも使えるような機械にするには,1つは価格を安くすること,1つは誰が使っても失敗のないような自動化をすすめることであった。  そして,1962年に初代リコー「オートハーフ」が登場した。そのカメラは,セレン光電池による自動露出,ゼンマイによる自動巻き上げ,ピント調整不要の固定焦点(中心は2.5m)機構を採用して,まさにシャッターレリーズボタンを押すだけで誰にでも写真を写すことができる,というカメラになっていた。さらにカメラ本体の価格も抑えられており,ハーフサイズを採用したことで,1本のフィルムで2倍の枚数の写真を撮ることができて,カラーフィルムが高価だった時代には歓迎されたのである
35mmハーフサイズのカメラは歴史的にいくつかの製品があるが、戦後のカメラ普及時代に入ってハーフ判で成功したのは「オリンパスペン(1959)」です。ここで一般用ハーフサイズカメラが定着することになる。リコーは得意の自動化カメラの思想をさらに進め、画面サイズを小さくすることによってレンズの焦点距離が短くボディが薄くできることから、ハーフサイズで高度に自動化小型化したカメラを企画しました。フィルム巻上げはスプリング動力で自動とし、カメラの大きさはタバコのLMを目標にしました。この目標を達成するには、動力用ゼンマイ材料の発掘、超薄型シャッターの開発など在来に無い考え方を、素材やコンポーネントのメーカーに説得する多大の努力が行われました。デザインも在来のカメラとは異次元の外観で「ものすごく売れるか、全然売れないかのどちらか」と激論の末、発売に踏み切った。その結果、シリーズ合計、20年間に350万台以上の販売実績となった。

オートハーフSLを除く機種は、富岡光学製25mmF2.8のレンズが搭載され、精工舎が製作したレンズシャッターの速度は1/30と1/125の二速が自動的に切り替えられる。ゼンマイによるモータードライブなど、ハーフ版ならではの機構が搭載され、またセレン光電池を用いた自動露出機能を持つ。機種名につけられるSは「セルフタイマー装備」をあらわし、2のつく機種にはホットシューが備えられる。オートハーフSLとオートハーフゾーンフォーカスを除く機種は固定焦点によるパン・フォーカスとなり、自動巻き上げ、小型軽量と相まって簡便な操作を実現し、オリンパス・ペンと競い合って、それまで重厚なカメラを敬遠していたライトユーザーを開拓していった。
1962年11月に発売された。オートハーフの初代機。最もシンプルなデザインであり、 その後数え切れないほどのパネルデザインが展開したオートハーフシリーズにおける基本中の基本。 ファインダーの横にあるツメのようなのがシャッターボタンで、フロントにあるので正直手ブレしやすい。 従来のカメラ設計を覆す、大胆なモナカ構造の採用が特徴的。当初はたばこ箱サイズを目標に設計されたが、実際はたばこ箱よりも一回りほど大きい。レリーズボタンをボディ前面に配置するなど、前衛的な設計が行われた。また、ゼンマイ式モーターによるフィルムの自動巻き上げ機能、セレン光電池による自動露出機能を採用し、後の全自動コンパクトカメラの原型となった。ただし、大胆なモナカ構造は、カメラ後面全体を覆う必要があるため、完全暗室を達成せねばならないフィルム室に漏光という致命的な欠点を持つことになる。これをリコーはモルトを貼ることによって防いだ。 現在でも「リコーオートハーフ用裏蓋モルト貼り替えキット 」なるものが販売されているらしい(販売元:aki-sahii.com )。
当時のハーフサイズカメラといえば、オリンパスペン、キヤノンデミ、そしてリコーオートハーフである。このカメラは、開発者が自分の母親が使うためにと作ったもので、実際女性に大ウケして大ヒットとなった。絞りを選ぶこともできるが、オートにすれば1/125固定シャッターでカメラが勝手に絞りを決めてくれる。パンフォーカスなのでそれなりの描写力だが、何も考えずに写真が撮れるのである。 もちろん、このカメラの最大の特徴はぜんまい式のオートワインダーである。当時これは画期的であり、外観もやや縦長で斬新であった。デザインは銀色を基調とした初代がシンプルで美しい。底部の大きなノブでワインダーをチャージする。セレン受光で手巻き式、電池要らずの環境カメラである

■発売:1962年11月 
■画面サイズ:24×17mm
■レンズ:リコー 25mm F2.8 3群4枚構成(設計理研光学、製造富岡光学)
■フィルムシステム:35mmパトローネ入りフィルム(135)
■画面サイズ:24×17mm
■フォーカス:2.5mに固定焦点
■シャッター:セイコーシャ BS 11  1/125(AE時) 1/30(フラッシュ時)
■露出計:セレンメーター、針押さえ式AE 
■絞り:2.8〜22
■サイズ:巾 90mm 高さ71.5mm 奥行き 31mm
■質量:270g
■価格12,000円 (ケース付)

(注)フィルムが入ってないと動かない。
15年ほど前に出張先の岡山市の中古カメラショップで発見。飲みに行くのを我慢して購入。すぐホテルに戻り、触ってみると、ぜんぜん動かない。パチモノをつかまされたと後悔したが後の祭り。棚にほっておいていたが、ある日ふっと「フィルムが入ってないから動かないかも」と思い付いてダミーフィルムを入れたところちゃんと動いた。
岡山のカメラ屋に悪印象を持っていたが、反省。