愛する子供たち #26 オリンパスペン EE

★ペンEE★
使いやすさに徹したオリンパスペンEEは、昭和36年(1961年)の発売です。 「固定焦点」「シャッタースピード1/60秒」「露出は絞りの自動調整」と、機能を合理的に割り切ったオリンパスペンEEは、ボタンを押すだけで、誰でも簡単に美しい写真が撮れるカメラでした。
PEN EE には 1/60 秒の単速のものと 1/30, 1/250 秒の2速のものがあります。 ロゴの部分が、 「OLYMPUS」 だけなら初期型 (1/60 秒単速) 「OLUMPUS-PEN」 なら後期型 (1/30, 1/250 秒の2速) ということらしいので、当機は初期型とわかる。

■レンズ:Dズイコー28mmF3.5、 3群4枚
■焦点:固定焦点、 3.2m固定 焦点調整機能なし
■シャッター:コパルB・1〜500、1/60秒固定 ( 後期型;1/30秒と1/250秒の2速)
■絞り:自動調整、3.5〜22
■ファインダー:ブライトフレームファインダー アルバダ式  0.5倍 
■捲き上げ:リヤワインディングシステム セルフコッキング自動捲き上げ二重露出防止
■フィルムカウンター:手動逆算式
■露出:セレン光電池サークルアイ式(注) 
(注)レンズ周囲にセレン電池を配置することでカメラを構えたときに、手で電池を覆う失敗が少なくでき、またフィルターを使う
 際にレンズとセレン電池を同時に覆うので露出倍数も自動的に補正される。さらにレンズキャップを付けると、セレン電池も
 暗くなってレリーズロックが働き、キャップをつけたまま撮影してしまうという失敗も防げるようになるなど一石二鳥、、いや、
 一石三鳥のメリットが発揮された。
■価格:9000円  ケース別売り800円(ソフト)1000円(ハード)
■発売:昭和36年(1961年)8月
■サイズ: 108×68×42  
■重量:350g
■フィルム感度:ASA10〜200

Pen EEはEEシリーズの初代としてはかなり完成された外観を持っています。なにせEEの誕生から最後の金属ボデイーであるEE3までの間にはなんと約12年もの隔たりがあるにもかかわらず、その外観は子細な部分を除いては、ほとんど変化していない。安定感のある、やや上方がすぼまった台形の形。トップカバーの肩の絞り。平坦なトップカバー上面。特徴的なファインダーカバーの形と色。このファインダーカバーのデザインはシンプルですがまぎれも無くPen EEのアイデンティティーになっていると思います。

Pen EEのボトムは写真のように結構メカメカしい感じです。実はEEシリーズの中でEEとEESだけが後蓋引き下ろし式になっていてこの底蓋もろともガバッと外れる仕組みになっています。 ごついノブは後蓋のロック解除用のノブです。ノブを起こして180度回転すると後蓋のロックが外れます。
その横の大きな窪みの中にあるボタンが巻き戻しボタンです。後蓋が底蓋もろとも外れてしまうために、このボタンは一度押すと巻き上げまで保持される機構がついていません。ずーっと押し続けなければなりません

EEシリーズの中ではこのEEとEESだけがアクセサリーシューを装備しておらず、すっきりしたデザインです。またこのEEとEESのトップカバーに入っているモデル名はプレスの突出しなのですがEE2以降は反対に凹みなっている。まあどうでも良いけど…気になる 。

当時のパンフレットに「とに角、ボタンを押すだけでいいんです!」と豪語してある。 このEEシリーズは、8機種まで展開し、ペンカメラが広く普及する原動力となった。
レンズは写りに定評があるD.ズイコー、しかしセレンの生死が?で、ファインダー内にあるであろう「針」が見当たらない。絞り値は数字で表示され、フルマニュアル機としては十分に使える。
1995年頃、オークションで「ジャンクカメラ3台まとめて3000円!」でEE2とEE3セットで入手。ところが届いたカメラをさわってみると3機ともなんとか作動したので、大変得した気分になって小躍りした。